***第466回CBI学会講演会のお知らせ***

 「多様なモダリティを志向した分子シミュレーションと実験的アプローチ」

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開催趣旨
化学・生物学分野と情報・計算技術の境界領域において、革新的な取り組みが次々と生まれています。幅広いモダリティへの応用を志向して、計算科学を活用した新しい分子設計と実験的手法の双方の視点から、アカデミア、ベンダー各講師の先生方に最先端の研究を講演いただきます。多様な視点から議論を深め、参加者が新しい知見を得られる場となることを目指します。
日時 2025年8月8日(金)13:00-16:50
場所 オンライン配信(Zoomウェビナー使用)
世話人 門 祐示(Meiji Seikaファルマ株式会社)、田村 勇之進(株式会社Preferred Networks)、緑川 淳(株式会社ワールドフュージョン)、森本 幸恵(武田薬品工業株式会社)
連絡先: お問い合わせは、下記メールまたはTELにお願いいたします。

TEL: 03-6435-0458 (情報計算化学生物学会(CBI学会)事務局)

プログラム  

  1. 13:00 - 13:05 開会の挨拶

  2. 13:05 - 13:35
    「超巨大ケミカルスペースを効率的に探索する次世代バーチャルスクリーニング」
    神谷 謙太朗(株式会社モルシス)

    理論的に存在し得るすべての化合物の集合(ケミカルスペース)は、低分子に限定しても10⁶⁰規模に達する。近年の計算技術の発展に伴い、億単位のケミカルスペースからのバーチャルスクリーニングが可能になってきているが、従来の方法では、超巨大ケミカルスペースを探索するには膨大な計算資源が必要である。独BioSolveIT社は、化学反応とビルディングブロックに基づくコンビナトリアル空間を活用することで、膨大な計算資源を使わずに数百億以上の規模のケミカルスペースを効率的に探索できる製品(infiniSee、SeeSAR)を開発した。infiniSeeは2Dベースの高速スクリーニング、SeeSARのChemical Space Docking™はドッキング計算による3Dベースのスクリーニングが可能である。本発表では、これらの製品による超巨大ケミカルスペースを効率的に探索する次世代創薬支援技術を紹介する。

  3. 13:35 - 14:05
    「クラウドプラットフォームOrion®️で行うSBDDのリード最適化手法について」
    近田 千春(OpenEye, Cadence Molecular Sciences)

    リード最適化では、骨格への置換基導入により非常に多くの候補化合物を生成するサイクルが発生します。段階的な選別を繰り返す中で、薬になる可能性の高い候補を残し、そして最終的にはこれらの候補のごく一部のみを合成し評価します。そのため、計算手法を用いてこのプロセスをサポートする際に考慮すべきことは、(1)候補化合物が合成可能であること、(2)計算が高速に終わること、計算費用が安価であること、(3)操作が簡単であること、が挙げられます。この講演では、Orionに搭載されているライブラリー生成機能から始まり、相対結合自由エネルギー計算に至るリード最適化の一連のサイクルを、この3つの観点からご説明します。

  4. 14:05 - 14:35
    「計算化学技術を最大限活用した新たな低分子創薬のパラダイム」
    髙岡 雄司(シュレーディンガー株式会社)

    低分子創薬においてリガンドー受容体間の相互作用の強さを精確に見積もることは、研究を効率的に進めるために重要であり、必要とされるスループットと精度に応じて様々な計算化学的手法が提案されてきました。特に近年は扱う化合物空間が桁違いに大きくなっており、速度と精度という、相反する要求を満たせるようなワークフローが求められています。 弊社ではこれまで上記要求を満たすための様々な要素技術を開発してきており、製薬企業との共同研究や社内の創薬事業において、これらを組み合わせたワークフローの有用性を示してきました。しかしながら実際に短期間で候補化合物を見つけるためにはかなりの数のライセンスと膨大な計算資源を必要とし、日本の多くの製薬企業にとっては適用が難しいものとなっていました。 そこで我々は、これら実証済みのワークフローを比較的手軽に活用できるよう、定額で利用できる有償サービスを展開しています。これらには市販化合物からのバーチャル・スクーニング、リード化合物の最適化やADMET予測などが含まれており、弊社が持つ計算化学技術やノウハウを最大限活用して定額、短期間で成果を得ることができます。さらに知識移転を促進するプロセスによって、その後弊社のソフトウェアを有効に活用するための経験値も取得できるようになっています。 本講演においては、これらの受託サービスの内容や事例についてご紹介させて頂きます。

  5.   <14:35 - 14:45 休憩>

  6. 14:45 - 15:25
    「標的タンパク質分解薬の創製研究」
    石川 稔(東北大学大学院生命科学研究科)

    PROTAC(proteolysis targeting chimera)は、ユビキチンリガーゼのリガンドと標的タンパク質リガンドをリンカーを介して連結した分子であり、両タンパク質を強制的に近接させることによって、標的タンパク質のユビキチン化・プロテアソーム分解を誘導する。また、タンパク質分解を司る他タンパク質と、標的タンパク質を強制的に近接させる標的タンパク質分解技術(targeted protein degradation, TPD)も開発されており、新しい創薬手法として注目されている。本発表では、これまで行ってきたPROTACなどのTPD研究を紹介したい。そして、TPD研究におけるシミュレーションの活用についてご議論頂きたい。

  7. 15:25 - 16:05
    「分子シミュレーションと細胞分子ディスプレイによる抗体代替ペプチドの開発」
    門之園 哲哉(東京科学大学生命理工学院)

    抗原に特異的かつ強力に結合するペプチドは、安定性、組織浸透効率、体外排出効率が高く、新たな創薬モダリティとしての利用が期待されている。我々はこれまでに、抗体の相補性決定領域の抗原結合ペプチドを足場ペプチドに組み込んで構造ゆらぎを抑制することにより、抗体代替ペプチド (FLuctuation-regulated Affinity Peptide, FLAP)を創出できることを示してきた。本講演では、FLAPの開発事例を紹介するとともに、細胞分子ディスプレイと機械学習を組み合わせたFLAPの高性能化技術の現状について紹介する。

  8. 16:05 - 16:45
    「分子シミュレーションを基盤としたアプタマー・核酸創薬への取り組み」
    山岸 賢司(日本大学工学部生命応用化学科)

    核酸医薬品はタンパク質の発現を遺伝子レベルで制御することにより、低分子医薬品や抗体医薬では治療が困難な疾患に対して、治療の可能性をもたらす新たな創薬モダリティとして期待されている。本発表では、主に核酸アプタマーに対する分子シミュレーション解析の実例を中心に、私たちが取り組んでいる分子シミュレーション解析を基盤とした核酸創薬の取り組みについて紹介する。

  9. 16:45 - 16:50 閉会の挨拶


講演会参加費
(種別) (料金)
法人会員 無料
一般 個人会員A 無料
個人会員B ¥3,000
非会員(一般) ¥10,000
学生 学生会員 無料
非会員(学生) ¥1,000

キャンセルの場合、2025年7月31日(木)までにご連絡いただければ手数料を差し引いて返金します。
それ以降は講演会参加費のキャンセル返金はできません。
コンビニ決済を選択すると5日間の支払猶予期間がありますが、支払いが完了しないと正式な参加申し込みとはならないため、締切日にご留意ください。(ただし、定員オーバーで参加できない可能性があることをご容赦願います)
参加費が無料の方も、キャンセルされる場合は、なるべく早くにご連絡ください。こちらでシステムから取り消します。
参加申込み 
2025年6月9日(月)より申込みを開始いたします。
お問い合わせ
◆情報計算化学生物学会(CBI学会)事務局
  
   TEL:03-6435-0458